Nonfiction Story ~ Working days and yet ... ~

My dogma and bias - 独断と偏見

RB X-Alps 2011 Day-13 to 14

2003年より奇数年開催のレッドブル・Xアルプス。前回は2009年開催でした。(公式サイト)
自分の足とパラグライダーで距離を稼ぐ(ターンポイントを制覇する)競技です。


ルール説明とログ#1(序盤5日分)はこちら。ログ#2(5〜7日目)はこちら。ログ#3(7〜9日目)はこちら
ログ#4(9〜11日目)はこちら。ログ#5(11〜13日目)はこちら



某所の浅田ログと公式ニュース(official記載分)からの記述(13日目後半〜14日目前半)。時間は日本時間です。

(7/30 01:31 official)
T.Coconea(ルーマニア)がイゾラ(フランス)付近に着陸。その後、再び飛行を開始したらしい。
その飛行が終わったら、歩く予定だそう。

(7/30 01:48 official)
P.Guschlbauer(オーストリア)、彼が歩いている途中にT.Coconea(ルーマニア)が飛んでいるのを見かけたらしい。
2人はやはり、接近戦だ…。

(7/30 15:06 official)
ルーマニア人は驚異的なパフォーマンスを見せ、オーストリア人は彼のチャンスを待っている。さて、この古典的な「ウサギとカメ」はどんな結末となるだろうか…?
T.Coconea(ルーマニア)は、ゴールまで残り25kmを切った。彼は14時から平均時速7kmで走っている。そして、モナコには彼の応援団も駆け付けている。
その時P.Guschlbauer(オーストリア)は、2日前にC.Maurer(スイス)が飛ぶ為に登った場所を、彼もまた登っている。
モングロス(TP8)周辺は道路も地形も複雑だから、それを考えても、ルーマニア人はさらに40km以上走らなければいけないだろう。
もし、オーストリア人が優勝したスイス人と同じスピードで辿れば、TP8近くのペイユ(フランス)には、21時半に到着する計算となるだろう。
これは、ルーマニア人の到着予定より6時間以上も早い。彼の現在のペース、時速7kmの場合は42kmという計算となるからだ。
ルーマニア人に関しては、机上の空論となるものの、制限時間に間に合うかは非常に際どい。しかし、彼には間違いなく、2007年大会のフラッシュバックがあったのだろう。
彼は南へ向かって走り、暫定トップだったアレックス・ホーファー(2005年大会優勝者)に、ゴールで1〜2時間先着したのである。Xアルプスでも稀に見る接近戦だった。
さぁ、彼らの動きに注目しようじゃないか…。
記事追記。T.Coconea(ルーマニア)は平均時速10㎞に上げてきたぞ!!

 
16:21(残り7時間)時点での順位。

P Name Nat Remains   P Name Nat Remains
1 C.Maurer SUI Finish   10 C.Latour FRA 219km
2 T.Coconea ROM 20km   11 H.Rejmanek USA 243km
3 P.Guschlbauer AUT 63km   12 E.Griaznov RUS 254km
4 M.Muller SUI 133km   13 H.Eichholzer AUT 261km
5 J.Chambers GBR 169km   14 M.Fanderl CAN 317km
6 F.van Schelven NED 191km   15 A.Frotscher ITA 322km
7 M.Gebert GER 193km   16 R.Pethigal BRA 353km
8 J.Makkonen FIN 206km   17 P.Faron POL 371km
9 T.de Dorlodot BEL 219km   18 O.Fernandez ESP 404km

…まだフィニッシュしたのは1人だけという状況。


ログ続き。14日目後半〜レース終了までです。時刻は日本時間。

(7/30 16:30)
赤牛X-Alps、レース終了まで残り7時間。まだ2位以下は到着していないが、到着できそうな選手が1人2人…。悲惨だなぁ。(汗)

(7/30 16:30 official)
T.Coconea(ルーマニア)はモナコにおいて、観衆の中のルーマニア人から声援を受けるだろう。
私たちXアルプスは、ペイユ近くにいた彼の応援団の中の2名に、話を伺った。彼らは2週間の休暇をもらって、同じ母国の彼を応援する為に、モナコへ来た。
いつ彼と出会えるだろうかと話し合い、車内で休みながら、ルーマニアから26時間も掛けてやって来たんだ!!

(7/30 18:06 official)
モナコは霧がかかってる模様。しかし、飛行のコンディションとしては良いらしい。

(7/30 19:28 official)
解説陣のコメント。
「レース終了まで残り数時間となった。T.Coconea(ルーマニア)はモナコへ辿りつく為、上手くコントロールしているように見えるが、エネルギーが必要である。何故なら、ティータイムの前にフルマラソンの2倍の距離を走りきり、酷い地形を攻略し、そして、パラグライダーの準備もしなければならない。さらには、モナコの天候も良くなきゃ飛べないし、23時20分という制限時間はちょっと厳しいかもしれない!!」
「似たポジションにもう1人居るね。P.Guschlbauer(オーストリア)はまだ、モナコへの到達を信じている。気象条件が揃えば、彼はルーマニア人をパラグライダーで追い越せるだろう。気象条件は悪くない方だが、皆の願いが通じれば、彼はモナコへの道が開かれるだろう」

(7/30 19:35 official)
M.Fanderl(カナダ)とA.Frotscher(イタリア)が、マッターホルン(TP6)の近くで一緒に歩いている。
彼らはその後、同じ場所でトラックログ(GPS)の電源を落とし、順位をシェアするらしい。冒険の終わりにして、なんと素晴らしいスポーツマンシップなんだろう!!

(7/30 19:59 official)
最終盤を迎え、トップ10を狙う戦いが激化している。
J.Chambers(イギリス)は、5位の座を維持する為の懸けが始まった。その頃、J.Makkonen(フィンランド)は飛行中で、M.Gebert(ドイツ)とF.van Schelven(オランダ)を追い越そうとしていた。
一方、モナコではT.Coconea(ルーマニア)とP.Guschlbauer(オーストリア)を待ちわびている。彼らはまず、モングロス(TP8)の山頂周辺3km以内を通過しなければならない。そして、ペイユ(フランス)でモナコへの行程を報告(歩行か飛行)しなければならないからだ。

(7/30 20:32 official)
ペイユは現在、飛行可能だそうだ。
先ほどまで立ち込めていた霧は晴れ、雲は飛行地点と同じくらいの標高に漂っている。さらに、風がゆっくりと南東方向に吹いている。この条件なら、おそらく飛べるだろう。
現在ペイユでは、T.Coconea(ルーマニア)の応援団が20人ほど旗を振っており、雰囲気はとっても良いよ!!
その頃、P.Guschlbauer(オーストリア)はペイユに近付く為のフライトを計画している、と情報が入ってきました。

(7/30 20:43 official)
T.Coconea(ルーマニア)のサポーター役が、ペイユに到着。
「彼はここに来るはずだし、モナコへ到達できるはずだ」とコメント。

(7/30 21:06 official)
T.Coconea(ルーマニア)が、ペイユに到着!!
既に優勝を決めた、C.Maurer(スイス)もお出迎え。

(7/30 21:18 official)
T.Coconea(ルーマニア)、15分の休憩を経てペイユを飛び立つ。
その頃、P.Guschlbauer(オーストリア)は、南からの激しい向かい風に悪戦苦闘していた。

(7/30 22:35 official)
M.Fanderl(カナダ)とA.Frotscher(イタリア)の2人は、マッターホルン(TP6)で14位タイとして、このレースをフィニッシュした。
スタートのザルツブルクからは559km、そして、ゴールのモナコまで305km。
この2人はXアルプスの常連で、イタリア人は初出場が2003年大会(第1回)、カナダ人は同じく2007年大会(第3回)である。
2人ともお疲れ様でした!!

(7/30 23:21 official)
2011年のXアルプスは、本日の23:22で終了した。C.Maurer(スイス)が通算2勝目を飾ってから2日後である。
T.Coconea(ルーマニア)が2位、P.Guschlbauer(オーストリア)が3位となった。
我々、Xアルプスの運営は、参加した30名の選手に閉会式(パーティ)への参加を希望している。閉会式は7月31日にモナコで行います。

 
最終順位です。

P Name NAT Remains   P Name NAT Remains
1 C.Maurer SUI Finish   10 H.Rejmanek USA 181km
2 T.Coconea ROM Finish   11 T.de Dorlodot BEL 183km
3 P.Guschlbauer AUT 9km   12 E.Griaznov RUS 241km
4 M.Muller SUI 73km   13 H.Eichholzer AUT 246km
5 J.Chambers GBR 113km   14 M.Fanderl CAN 305km
6 M.Gebert GER 172km   14 A.Frotscher ITA 305km
7 F.van Schelven NED 173km   16 R.Pethigal BRA 327km
8 C.Latour FRA 174km   17 P.Faron POL 350km
9 J.Makkonen FIN 176km   18 O.Fernandez ESP 389km

結局、フィニッシュ出来たのは2名だけでした。
3位以降に対しても、規定の賞金は渡されるだろうと思いたいですが…今回は消化不良ですよね〜。(苦笑)