Nonfiction Story ~ Working days and yet ... ~

My dogma and bias - 独断と偏見

RB X-Alps 2011 Day-11 to 13

2003年より奇数年開催のレッドブル・Xアルプス。前回は2009年開催でした。(公式サイト)
自分の足とパラグライダーで距離を稼ぐ(ターンポイントを制覇する)競技です。


ルール説明とログ#1(序盤5日分)はこちら。ログ#2(5〜7日目)はこちら。ログ#3(7〜9日目)はこちら。ログ#4(9〜11日目)はこちら



某所の浅田ログと公式ニュース(official記載分)からの記述(11日目後半〜12日目終了分)。時間は日本時間です。
今回はゴール時間との勝負でしたので、記事の数自体も多く、まだ訳しきれてません。一部記事を省いたり、記事の内容を大幅にカットしてるのにね〜。(おぃ)

(7/28 00:28 official)
M.Muller(スイス)がフランスへ入国した4番目の選手となった。
前日のマッターホルン(TP6)の時点で、P.Guschlbauer(オーストリア)と3位を争うほどの位置に居たものの、現在はかなり離されている。

(7/28 00:47 official)
公式がパロディサイトを発見し、紹介。百聞は一見に如かずという訳で、サイトはこちら
ちなみに、前回のログ(ログ#4)に出してたものは本物ですが、これは偽物です。パロディですからね。
そして、動画に上がっていたものも一緒に紹介しています。その動画は下記参照。

(7/28 01:09 official)
14時に最下位だったチームはレースから脱落することになる。しかし、J.Skrabalek(チェコ)がその最有力だ。
何故なら、前方のP.Faron(ポーランド)から30kmも差をつけられており、逆転が難しい状況だからだ。
彼は運命を悟り、今は彼のサポーターと共に、このレースを楽しんでいる。
「我々は飛行で峡谷を越える賭けにでた。でも、標高2000mで離陸したのに、失敗したんだ」
チェコチームはモナコでの閉会式典(パーティ)に出席予定だ。(但し、トップがモナコに着いたらね、と運営からの注釈付き)
一方で、R.Pethigal(ブラジル)は黙々と距離を稼いで、最下位争いと戦っている。
序盤、彼は他の4名とともに飛行制限区域に引っ掛かり、24時間のペナルティを背負わされた。その後、強制脱落から逃れる戦いを続けてきた。
彼は現在、17位につけている。しかし、モナコまではまだ半分の道のりが残されている。

(7/28 02:41 official)
P.Guschlbauer(オーストリア)と短時間の電話インタビュー。
「早起きして、歩いて、飛んで(パラグライダー)、歩いて…僕は肉体的にも精神的にも、普段通りに働いている気がするよ」
彼は上手く風を拾えば、モナコの48時間ルールに引っ掛かる事は無いだろう。

(7/28 04:11 official)
再び、パラグライダー飛行には向かない日がやってきた。
選手たちは思い思いに歩き、モナコを目指している…。

(7/28 14:11 official)
14時、J.Skrabalek(チェコ)にレース脱落を報告した。彼はモナコでの閉会式典(パーティ)に来る予定だ。
運営側コメント「よく頑張った。パーティで待ってるよ!!」
…ところで、レース脱落を報告するおっさんが、かなり笑顔だった。(苦笑)

(7/28 14:14 official)
C.Maurer(スイス)がゴールのモナコに近付くにつれ、心理的要素が重要な部分を占めるこのレースにおける、本当のヒーローが誰なのか、分かる時がやってきた。
現在、トップ10のうち、初参加の選手が4名入っている。P.Guschlbauer(オーストリア)、F.van Shelven(オランダ)、J.Chambers(イギリス)、そして、現在唯一残っているフランス人のC.Latour(フランス)だ。
選手たちは11日間戦ってきた。朝4時から23時まで、歩いたり飛んだりしてきた。アルプスでは「最悪な夏の天候」にも苦しめられた。
しかし、フィナーレが近付くにつれ、彼らは毎日、毎時間、毎分、限界以上のプッシュでゴールへ向かっている。
食事や仮眠の為の貴重な時間を削ってまでも、パラグライダーで飛んだり、歩いて距離を稼ごうとしている。

(7/28 16:13 official)
運営チームがP.Guschlbauer(オーストリア)のサポーター役の女性と会話。
「アルプス山脈で少し方向を見失った。今回飛んだ部分はほとんど知らなかったから」
「彼はトップのC.Maurer(スイス)と似たルートを辿る計画だけど、全く土地勘がないので、そこが少しストレスになっている。でも、彼は元気だよ!!」

(7/28 16:42 official)
今日は、追走するT.Coconea(ルーマニア)、P.Guschlbauer(オーストリア)、M.Muller(スイス)の3名にとって、いい飛行日和になりそうだ。
10〜15時(日本時間で17〜22時)が1番飛行しやすいはず。その後は嵐がやってくるかもしれないそう。

(7/28 17:08 official)
C.Maurer(スイス)の「HELLO」は彼のオリジナルじゃなかった?
というのも、彼が実際に行う1時間ほど前、「誕生日ケーキとか、名前とか、GPSログで書いてみてよ」という投稿があったそう。
えぇっと…運営によるネタ記事なのかは分かりませんが、ネタ記事っぽい雰囲気です。
ただ、実際にこんな投稿はあったらしい。もちろん、運営側が投稿したかもしれませんが。(汗)

(7/28 17:42 official)
C.Maurer(スイス)はモナコまで残り61kmとなった。そして、もがきながらも登っている。
そして、彼は飛行しているものの、距離を稼いでいるとは言い切れない状況だ。
彼は、今日飛行すべき理由が、十分に理解できているだろう…。

(7/28 18:05 official)
追走集団の選手たちは、今よりもいい天候を望んでいる。
「あぁぁぁぁぁ、雨が降りやがった!!」
J.Chambers(イギリス)はシャモニー(フランス)で雨に遭遇した。予報では雷雨も来るらしい。
彼らはただただ、天気予報が好転する事を祈るばかりだ。
ちなみにその頃…モナコに近い丘の上は、青空が見え、快晴でした。

(7/28 18:09 official)
T.Coconea(ルーマニア)は短距離の飛行を終え、再びのチャンスを待っている。しかし、彼は素晴らしい天候の中、もがいている。
彼が現在いる辺りに、雨は降っていない。しかし、彼のサポーター役によると、「次飛んだら、あとは歩くだけだよ」というらしい。おそらく、「歩く事でチャンスをつかむ」という事だろう。
J.Chambers(イギリス)は激しい雨により、シェルターに避難している。今日、彼は1度しか飛べていない。
また、追走しているであろう、F.van Schelven(オランダ)やM.Gebert(ドイツ)の姿は見えない。おそらく彼らも辛抱しているだろう。
この3人から15km後方にいる、J.Makkonen(フィンランド)は「何もかもが遠い存在だ」と語り、J.Chambers(イギリス)は「自然の力だから」と返す。

(7/28 19:29 official)
モングロス(TP8)に大きな雲が。低い位置に灰色の雲。
この90分ほど、C.Maurer(スイス)は突風を避けつつ、標高1500mから少しずつ速度と高度を落としている。そこから更に北に居るJ.Chambers(イギリス)は「30分しか飛べなさそう」とコメント。
コンディションは相変わらずタフらしい!!

(7/28 19:38 official)
C.Maurer(スイス)は残り32kmとなった。現在、標高2000m辺りを飛行している。
雲は彼の飛行してる辺りに漂っており、海岸に近付くにつれ、低く垂れさがっている。

(7/28 21:00 official)
C.Maurer(スイス)は雲の近くを飛んでいる。
モングロス(TP8)の近くは弱い海風が南から吹いており、これが彼の飛行に味方をするかも。

(7/28 21:06 official)
C.Maurer(スイス)のサポーター役が、モングロス近くのペイユ(フランス)に到着。
お待ちかねの彼は、もうすぐやってくるだろう。

(7/28 21:10 official)
C.Maurer(スイス)がペイユから確認できる位置に。彼はモングロス(TP8)のさらに300m上空を飛行しているようだ。

(7/28 21:54 official)
C.Maurer(スイス)がペイユに降り立った。彼はモナコに向かって飛行する予定だ。

(7/28 22:03 official)
モナコへ向かう準備(離陸準備)をしている、C.Maurer(スイス)と軽くインタビュー。「昨日は雨だったけど、今日はいい天気になったね」

(7/28 22:12 official)
C.Maurer(スイス)、再び。本当は、彼のイニシャル「CM」を書くつもりだったらしいが、都合によりMだけになったそう。
違う形に見えるのは、おそらく気のせいじゃないよね…。

 

(7/28 22:44 official)
モナコ公国がC.Maurer(スイス)の飛行にゴーサインを出した。彼らは30〜40分後に離陸予定。

(7/28 23:09 official)
C.Maurer(スイス)、ペイユを出発(離陸)。残る目的地はモナコのみ。

(7/28 23:20 official)
C.Maurer(スイス)がモナコのゴール地点に到着した。よって、48時間後にレースは終了する。

 

(7/28 23:28)
赤牛X-Alps、遂にトップがフィニッシュ。日本時間で23:24だから、当地では16:24か。 2位は残180kmで、3位は残205km。いずれも、飛行がうまくいけば…といったところか。 さて、48時間以内にフィニッシュできるのは何名だろう?

 

Christian Maurer - HELLO

遂に動画になっちゃったね♪
あと、パロディサイトに彼をモデルにしたものがありましたので、リンクを貼っておきます。ターミ…ゲフンゲフン。(苦笑)


…さて、ログの続きです。13日目前半分で、時間は日本時間です。

(7/29 01:52 official)
C.Maurer(スイス)がレッドブル・Xアルプス2011の勝者となった。彼はザルツブルクからの864kmを、11日と4時間22分で完走を果たした。
今日、彼はフレンチアルプスから60kmの飛行をし、勝利を確実なものにした。TP8のモングロスを高い高度で通過し、ペイユで観客の声援にこたえていた。
「もうそろそろ決着をつける時だな」と彼は感じていた。そして、「歩くことも考えたけど、結果、僕はここにいるんだ」とも。
公式サイトによると、何十万人もの人がGPSログを通じて、彼がモナコに降り立つ瞬間を見ていたそうだ。
選手たちは7月17日にザルツブルクを出発し、過酷な山々の天候と戦ってきた。
C.Maurer(スイス)はドロミテ山塊でのアタックでライバルとの差をつけた。トレ・チーメ(TP4)を越え、スイス入国。
しかし、飛行制限区域に引っ掛かり、24時間のペナルティ。誰もが後続に追いつかれると思われたが…季節外れの天候が、ライバルたちを襲う。
T.Coconea(ルーマニア)、P.Guschlbauer(オーストリア)、M.Muller(スイス)。彼らは悪天候により、距離を伸ばせなかった。
現在2位のT.Coconea(ルーマニア)は、ゴールから170km北に位置している。そんな彼を、P.Guschlbauer(オーストリア)、M.Muller(スイス)が追いかける展開である。
レッドブル・Xアルプス2011は、7月30日の16時22分(日本時間で23時22分)に終了となる。今後2日間は、いい天候が期待されており、表彰台を懸けてのバトルが見られるかもしれない。
最後に、表彰式と閉会パーティは、7月31日の20時(日本時間で8月1日朝3時)から、モナコで開催予定である。

(7/29 02:03 official)
レースドクターによると、H.Eichholzer(オーストリア)は大丈夫とのこと。
彼はツェルマット(スイス)の峡谷を歩いており、彼には標高8000m以上への飛行は禁止、と伝えている。
サポーター役の人は「彼の様子を見た時、心臓発作に近い様子だと感じた。一瞬のうちに、周辺に大きな雷雨が出来たんだ」と語った。
フレンチアルプスは今後2日間、天候は良さそうなので、彼がモナコにアタックできるチャンスもあるはず。

(7/29 03:34 official)
S.Nash(イギリス)はロカルノ(スイス)周辺の飛行禁止区域に引っ掛かったため、レースより除外した。
昨日、彼は「マッターホルンを越えたら悔いはない」と答えていたが、不運な事に、ロカルノ周辺の複雑な飛行区域制限に引っ掛かった。よって、ルールにより除外となった。
失格当時、彼はモナコまで385kmを残しての暫定14位だった。

(7/29 15:26 official)
フレンチアルプスは、北西から時速10㎞程度(秒速約2.8m)の風が吹く予報で、今日と明日は暖かい、いい天気になりそうだ。
これが、2位争いをするT.Coconea(ルーマニア)、P.Guschlbauer(オーストリア)、M.Muller(スイス)の3名にとって、いい展開になれば良いのだが…。

(7/29 17:07 official)
解説がコンディションから読み解くと、「T.Coconea(ルーマニア)がいい位置にいる。彼には有利な天候だろう」と。
ほか、「しかし、狂ったレースだよな」とも。確かにね…。

(7/29 17:27 official)
失格から1晩経ち…S.Nash(イギリス)のコメント。
「2013年大会を楽しみにしたいと思う。このレースを楽しむ、という事を忘れてた私にとって、十分に楽しむ事が出来た」
「最初の夜、私がレースに参加していることを当然と思うかもしれない。しかし、十分な準備や挑戦することがあるから、私は毎日繰り返してきたんだ」
「長い間落ちているボールの様だった。トレ・チーメ(TP4)に向かう時、ロカルノ周辺は十分に注意すべきと分かっていたのに…」
「あの時は、大きな雲を避けながら、飛んでいたんだ。そして、着陸の準備をしていた。でもね、ロカルノの事はすっかり忘れてたんだ」
「その後、サポーター役がその事を思い出させてくれたんだ。おそらく、GPSログでも思いっきり方向転換しているはずだ。しかし、遅すぎたんだ…」
今大会では、参加者30名中、7名が飛行区域制限に引っ掛かった。

(7/29 17:41 official)
J.Chambers(イギリス)は地の利を生かし、前走者を捕まえようとしている。
ジュネーブ在住の彼は、フレンチアルプスの中にある三角形で距離を稼いでいる。
ここ数日、F.van Schelven(オランダ)とM.Gebert(ドイツ)にリードを許していたが、彼らが歩いている間に、イギリス人の彼は南東方面の壁に沿って飛んでいる。

(7/29 19:33 official)
初参加で2位を狙うP.Guschlbauer(オーストリア)は、既に数々のサプライズを起こしているが、彼は現在、地図には見当たらない地域を飛んでいる。
「あまりにゴールは遠すぎる」
しかし彼は、未だに2位の座をT.Coconea(ルーマニア)と争っている。
残り36時間となったレースで、確実にモナコに着く為、彼はサポーター役の彼女を信じている。
「彼女は僕や他の人を支援するために、早く目的地へ歩いたり飛んだりする、このイベントに参加してるんだけど、彼女の能力は素晴らしいと感じるよ。パラグライダー、登山、そして地形学。彼女はすべての面において、トップレベルのサポーターだよ」
目標が2人居た方が、1人の時よりも良い。ただ、彼にはT.Coconea(ルーマニア)という2位を争う相手が居る。それだけで十分だろう。

(7/29 21:28 official)
H.Rejmanek(アメリカ)のサポーターが言うには、「マルティニー(スイス)の上空は、青空に小さな雲がいくつもかかっている状態」だそう。
「昨日、シャモニー(フランス)がゴールになりそうだ」と相談した。しかし「今日はその目標さえ、霞むかもしれない」らしい。
レース前、アメリカチームの彼らは「トップ10に入らなければ失望する」と語っていた。今、彼らはこの目標に向かって、全力で歩み続けているように見える。

(7/29 23:30 official)
レースまで24時間を切り、T.Coconea(ルーマニア)とP.Guschlbauer(オーストリア)が標高3500m付近を高速で飛行し、既にフィニッシュしたC.Maurer(スイス)の足跡を追って、南下している。
彼らはありのままにレースをしている。しかしながら、後方にいるM.Muller(スイス)やJ.Chambers(イギリス)には、ゴールへ行く為に、まだ1日と半分が残されている。
この先、23時(日本時間で翌6時)になって、彼らがどの地点まで来ているかが楽しみになるだろう。何故なら、明日は最終日。戦略的な賭けに出なくてはいけないからだ。
片方は「地道に歩き走って距離を稼ぐ」か、もう片方は「パラグライダーが生かせる天候になるまで、その周辺で待機」、このいずれかである。
ちなみに、この記事のタイトルとサブタイトルが「24 - ジャック・バウアーでさえ、ここまでの興奮は無かっただろう」です。これは上手すぎる。(笑)

(7/29 23:42 official)
P.Guschlbauer(オーストリア)が、果樹園のリンゴの木に着地。彼自身の身体および、彼のパラグライダー等も無事で、すぐにまた飛び立つそうだ。